
ハーフェズ(Hafez)
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この人は?
ハージャ・シャムスッディーン・ムハンマド・イブン・バハーウッディーン・ハーフィズィ・シーラーズィー(ペルシア語: خواجه شمسالدین محمد بن بهاءالدّین حافظ شیرازی、Khwāja Shams al-Dīn Muḥammad Ḥāfiẓ-i Shīrāzī、1325/1326年 - 1389/1390年)、通称ハーフェズ(またはハーフィズ)は、イランの詩人。「ハーフィズ」(Hafiz/Ḥāfiẓ)は古典的な読み方、「ハーフェズ」(Hafez)は現代ペルシア語的な読み方であり、世界的にはどちらも広く用いられている。日本では、黒柳恒男訳『ハーフェズ詩集』(東洋文庫)以降、「ハーフェズ」で定着した感がある。 後に編纂された『ハーフェズ詩集』は、東西の文化に影響を与え、ゲーテは晩年、ハーフェズの詩に感銘を受け、『西東詩集』を綴った。ハーフェズの詩についてゲーテは「ハーフェズの詩を理解するには 魂まで一汗かく必要がある」と語ったという。恋と酒と自然の美などを主題とした作品が多く、民衆に広く愛され、現代でも「コーランなくとも各家庭にはハーフェズ詩集あり」とまで言われている。また、詩集を用いた「ハーフェズ占い」なるものも存在し、街中でおみくじのように売られていたり、各家庭では冬至の夜にこの占いをする。西暦10月12日(イラン暦メフル月20日)は「ハーフェズ記念日」とされている。 呼び名 詩人の名前について、ムスリム名は「シャムソッディーン・モハンマド(Šams-al-Din Moḥammad)」、雅号は「ハーフェズ(Ḥāfeẓ)」という。この点に関して異説はない。「ハーフェズ」には「イスラーム教の聖典クルアーンの全114章をすべて暗誦できる者」の意味があり、それと同時に「美声でクルアーンを朗誦する者」の意味もある。詩人は事実としてクルアーン暗記者であったのかもしれないし、あるいは、作品の中にクルアーンの章句を想起させるフレーズが横溢しているがためにこの名前で呼ばれたのかもしれない。いずれにせよこの雅号は、詩人の敬虔さと、非凡な記憶力を有していたことを印象付ける。 ハーフェズの100年ほど前に生きた同郷の詩人サアディーが「シェイフ」の敬称で呼ばれるのに対し、ハーフェズは「ハージャ」の敬称で呼ばれる。ハーフェズは同時代人にも「ハージャ」と呼ばれており、また、この単語を用いて自分自身に言及する箇所がある作品もある。後世の人には、尊敬を込めて「不可思議の舌」(lesān-al-ḡayb)、「神秘の翻訳者」(tarjomān al-asrār)とも呼ばれた。